NPO法人結婚生活カウンセリング協会から慰謝料についての解説です。

NPO法人結婚生活カウンセリング協会
慰謝料
1 慰謝料とは
「慰謝料とは、離婚を言い出した方が支払うもの」と勘違いされている方がいらっしゃるようですが、そうではなく、「離婚に至る原因について精神的に受けた苦痛をお金に換算して支払われるもの」です。
この算出は、相手の収入、婚姻期間、子どもの有無などが考慮されるもので、定額で決められるものではありません。
2 法定離婚原因と慰謝料請求の可否
<不貞行為>

慰謝料請求可能です。ただし、何年も別居状態が続いているなど、婚姻関係が完全破綻した後の不貞行為については、慰謝料請求の対象とされていません。算定には、不貞回数・不貞期間・それによる精神的苦痛・不貞に至った経緯などが考慮されます。
<悪意の遺棄>

別れたいからといって、勝手に家を出て行くなどの同居義務違反、生活費を入れないなど経済的責任を放棄した協力・扶養義務違反を考慮の上、算出された慰謝料請求が可能です。
<3年以上の生死不明>

配偶者への責任の有無が判断できず、慰謝料請求の対象とはなりません。
<回復の見込みのない強度の精神病>

本人への責任のないことであり、慰謝料の請求対象とはなりません。
<その他婚姻を継続し難い重大な理由>

暴力や精神的虐待、経済的協力の姿勢が全くない、借金を繰り返す、アルコール・麻薬依存、継続的性交渉の拒否、性的異常、同居親族との不和の放置または助長など、婚姻生活を続けることのできない重大な理由によるものである場合には、その経緯・継続性・程度により算出された慰謝料の請求対象となります。
3 不貞行為の相手への慰謝料請求
精神的苦痛を被る原因となったことに変わりはなく、配偶者の不貞行為の相手への慰謝料請求も可能です。
4 支払方法
金銭で支払われることになりますが、話し合いにより不動産やその他の財産によって支払われる場合もあります。また、基本的には一括支払いですが、相手の経済状況によっては分割での支払方法がとられることもます。ただし、分割支払の場合には、支払が滞った場合のことを考慮し、「強制執行認諾文言付公正証書」を作成しておくことをお勧めします。
5 慰謝料請求の時効
時効は、離婚から3年です。
離婚後はうやむやになりがちな問題ですので、離婚前にしっかりと請求を行うことをお勧めします。
【監修】伊倉総合法律事務所 伊倉吉宣

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